“ものづくり”の精神が時代を動かす起爆剤に!



  理工学部長・教授

  畒見 達夫

  Tatsuo Unemi
                 

    プロフィール
       1978年 東京工業大学工学部制御工学科卒業
       1981年 同大学院総合理工学研究科システム科学専攻後期博士課程中退・助手
       1987年 長岡技術科学大学工学部計画・経営系講師
         1992年 創価大学工学部情報システム学科講師
       1995年 同助教授 2012年 同教授
       2015年 学科長・専攻長を経て創価大学理工学部長に就任
工学部から理工学部へと改組された2015年。新学部長として就任されたのが畝見達夫教授。創価中学校1期生でもあり創立者への思いは熱い。小さな頃からものづくりが大好きで鉄道模型が趣味だった。現在は、人工知能を駆使したメディア・アートの世界で第一人者に。「人間主義を根底に社会に貢献できる人材を育成したい」と新しい理工学部の建設に挑戦の日々が続く。
改組になった初代理工学部長として就任の抱負をお聞かせ下さい。
創価大学理工学部棟
    「情報システム工学科」と「共生創造理工学科」の2学科となりましたが、今までの工学部に比べ、物理学の分野の充実など、理系としての幅が広がったのが大きな特色です。より多くの受験生のニーズにお応えすることができると思います。
   本学理工学部の伝統でもありますが、今後、より一層グローバル化に対応できる国際的なセンス(世界市民)と様々な課題に挑み問題を発見し解決できる力(問題発見解決能力)を持った人材育成に全力を尽くします。そして、就職まで含めた学生満足度の高い理工学部を目指します

創価大学理工学部の他の大学にない特色をお伺いします。
    科学技術の革新は、社会を一変させる力を持っています。しかし、技術の基盤には人間主義に基づいた深い洞察力が必要です。本学の建学の精神に示されているように教育・文化・平和を根本に人類の幸福に貢献できる科学技術の発展を目指すところに本学理工学部の大きな特色があります。人類という視野で自由に研究できるということは、実は、国立ではなかなか難しいのです。
   また、本学工学部は、実に多彩な分野に人材を輩出しています。大学院へ進み、研究者やエンジニアになる学生もいれば、教育者の分野でも大いに活躍しています。情報システム工学科では、「数学」「情報」、共生創造理工学科では、「理科」の教員免許状が取得できます。更に学部・学科を超えた学生同士の交流が活発なのも本学の特色です。全国から集った友と充実した学生生活の中で生涯の友情を育むとともに将来の自分像を発見することができるでしょう。
  研究だけでなく教育熱心な教授陣が入学から卒業・就職まで皆さんをサポートします。
創大が人気ドラマ「下町ロケット」のロケ現場になったとお聞きしました。今、日本の“ものづくり”が注目されていますね。
 
   そうなんです。理工学部棟の研究室もロケ現場となりました。市村心臓外科医(今田耕治さん)が研究に没頭するシーンです。「技術はうそをつかない」との名セリフが話題になりましたね。現代社会は、科学に基づいた技術(モノ)によって支えられています。崇高な理念を形にし、人の幸せにつなげていくことが大切です。理系の面白さは、勿論、地道な基礎研究があってこそ言えるのですが、新しい技術を開発し、やがて産業・医療・福祉の分野などに応用され人間生活を豊かに変えていく力があるということです。
   “ものづくり”の精神が、世界を動かす重要な役割を担っていると思います。理工学部は、科学技術の発展を通して世界を革命する起爆剤ともなる魅力に溢れています。
下町ロケット原作
理工学部P棟
ロケ現場
創価高校から東京工業大学に進学し制御工学を専攻されましたね。
 私は、石川県の金沢出身です。当時、開校したばかりの中学から創価学園で学びました。創価中学1期、創価高校4期ということになります。寮生活では寺西宏友(副学長)さんも同期でした。
 小さな頃からモノ作りが好きで、創価学園に入学してからも鉄道模型の製作に夢中になっていました。外国航路商船の機関士の父、大工の祖父の影響もあり、自然と理系に進む決意をしました。まだ、創大には工学部はありませんでしたので東京工業大学に進学しました。主に、人工知能について研究を進めてきました。システム科学と言われる分野です。丁度、インターネットが普及されていく時代でもありコンピューターの世界に没頭していきました。そのおかげで、創大教員になってからも総合情報センターを立ち上や創大ホームページの開発にも取り組みました。
畒見先生は、メディア・アートの分野で数々の賞を受賞されていますが、現在の研究分野について教えて下さい。
オランダ・ハーグのルーセント・ダンス・シアターにて

   2006年に第10回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞、2011年にWRO聴衆賞を受賞しました。2003年からは、スイス在住のダニエル・ビシグ(Daniel Bisig)氏と協同でニューメディアアートプロジェクトを開始。
  ARCO(マドリッド)、文化庁メディア芸術祭(東京)、Art Escapes(バレンシア)、SIGGRAPH(ニューオリンズ)、ISEA(ドルトムント)、WRO(ヴラツワフ)などの国際的なイベントでデモや展示を行っています。2011年よりはじめたのですがコンピューター自身が毎日10の美的作品を作りインターネットに自動的に配信するシステムが稼働中です。芸術的創造活動をコンピューターの世界でどこまで実現できるかに挑戦しています。


WRO:欧州文化首都ヴロツワフ(ポーランド)にあるThe WRO Art Centerが主催するメディアアートフェスティバル
ARCO: スペインで30年の歴史を誇りヨーロッパ屈指の美術展の一つであるスペイン現代美術展
Art Escapes:バレンシア工科大学で開催された進化計算アートの展示会
SIGGRAPH:
アメリカコンピュータ学会におけるコンピュータグラフィックス (CG) を扱うSIG(分科会)が主催する国際会議展覧会
ISEA:毎年開催されている電子芸術国際フェスティバル

理工学部を目指す受験生にメッセージをお願いします。
  理系の分野は、様々な業界から人材を求められています。情報スキルや数字に強い人材は、どの世界にあっても必要です。例えば、情報システム工学科では、IT関係だけでなくそれを利用する様々な業種や金融関係どにも活躍する分野は広がっています。また、共生創造理工学科には、映画化もされた福山雅治さん主演の「“ガリレオ”的世界」というか、実験を繰り返す中で新しいモノや仕組みを作り出すおもしろさがあります。分子・原子・素粒子などの小さな世界から海・山・環境・宇宙などスケールの大きな世界に至るまで研究分野は広がります。
  理工学部を目指す皆さんは、日ごろから常に社会の問題点やナゾに関心を持ってください。何を解明すべきか、何をつくるべきか、何を改良すべきか、日常の中で考えたことが理工学部に入った時に役立つことでしょう。創価大学でお会いできる日を楽しみにしています。
2013年 畒見研究室 夏合宿(山梨県忍野)
海外大学との交流協定書を前にして
                                         2016.1取材