世界を舞台に一流の結果で後輩の道開く!



 オレゴン健康科学大学
 博士研究員
(Postdoctoral Fellow)

 宍戸 英樹

 Hideki Shishido

    プロフィール
             
東京創価高校校32期、創価大学32期 生物工学科 (飛び級卒業)
         2010年 3月 創価大学博士課程修了
       2010年 4月 創価大学助教
       2012年2月 オレゴン健康科学大学 博士研究員
オレゴン健康科学大学(アメリカ・オレゴン州)にて博士研究員として活躍する宍戸さん。遺伝性疾患に関する研究に携わり、さまざまな遺伝性疾患の創薬研究に利用できる画期的な手法を開発。また、疾患発症の仕組みも研究し、米科学誌「サイエンス」などへの論文が掲載され注目されている。神戸で行われた国際学会(BMB2015)に若手研究者の代表として招待講演のため来日された折にインタビュー。
宍戸さんにとって人生の転機となった出会いや経験はありますか。
 
 高校生のときに創立者が著された本に感動し、創立者のつくられた大学で学びたい、創立者のことをもっと知りたいと思い、創価大学に進学しました。また工学部の先生方には大変お世話になり、苦しいとき、悩んでいるときに、励ましの言葉を頂いたことによって、博士課程の道にも進むことができました。そして創立者のご尽力によって訪れる海外からの来賓の方と出会う機会が多いことは、私が世界に目を向ける一つのきっかけとなりました。
創価大学工学部を志願した理由は?
 科学分野は、結果を出せばすぐに世界とつながることができる魅力的な世界です。特に、人々の幸せに密接に関われる医学研究の一端を担える生物学者に私は憧れを抱き、生物学関係も学べる工学部を志願しました。また高校生の時に創価大工学部を見学に訪れた際、最先端の設備・実験器具等が完備され、きれいな建物・教室のある工学部では充実した学生生活を過ごせると感じました。そして教員の人柄もよく、留学生が多い国際的なキャンパスと充実した留学制度は私にとってとても魅力的で、本人の努力次第でどこまでも成長することができると思いました。さらに創立者のもとで学んで欲しいと思っていた親の想いを知ることがあり、親孝行になると思ったことも創価大学を志願した理由のひとつです。
 
学生時代の思い出やエピソードについてお伺いします。
 アルバイトをしながら学費を工面するなど経済的に大変ではありましたが、生涯の友人である多くの学友と出会えたことによって、切磋琢磨しながら、多くの困難を乗り越えることができました。今ほどではありませんが、当時から創価大学には経済的なサポート体制が充実しており、申請資格のある内外の給付型の奨学金のほとんどに申し込み、そのうちのいくつかに採用されました。また高校生の時に一度は諦めた海外留学も、短期ではありますが勝ち取ることができたのが、今の私にとってすごく大きい財産になっています。試験前になると、夜遅くまで友人と勉強したりしたことは、現在とても良い思い出になっています。その友人達とは今でも定期的に会って、お互いの原点・将来の夢を語り合っています。

 
海外での研究生活はいかがですか?
オレゴン健康科学大学
 日本もそうですが、アメリカの研究室は日本以上に厳しく、激しく、そしてスピーディーだと感じます。その理由として、良い成果を出し、研究費を継続して獲得し続けなければ、研究室自体が閉鎖されてしまうという、日本と異なるシビアな大学の研究システムがあげられます。一方、研究室に技術員が多くおり、仕事が分担されているので、私のような研究者が研究に100%専念できる環境が用意されているのはとても恵まれています。また最先端の技術や設備をもった専門家がサポートしてくれる体制も整っているので、異なる分野の技術が必要なときに、新たに一から勉強しなくていいのも研究がスピーディーに行なえる理由のひとつです。毎週のようにノーベル賞受賞者や著名な研究者の講演会が学内で行なわれるので、学ぶことも多いですし、最新で一流の研究に触れることはとても良い刺激となります。分野にもよりますが、新たな研究費を申請する段階や論文投稿の前段階で情報交換を開始するアメリカは、論文を見てから情報を得る日本にいた頃と比べて、研究が数年先を進んでいると感じます。
 現在はオレゴン州ポートランドに住んでいます。妻と共に2012年に渡米し、昨年は長女も生まれました。渡米当初は生活の立ち上げや、医療システムの違いなどでいろいろ苦労しましたが、アメリカの文化を知る良い機会となったと今では笑い話となっています。また様々な人種の人との出会いは、異なる文化や価値観に触れることになり、自分が日本人であることを再認識し、日本の良さを知る機会となりました。全米1位にも選ばれたことのある大学病院勤務なので、日本から研究留学に来られている日本人医師も多く、公私ともに仲良くさせていただいています。日本にいたら、広げることのできなかった交友関係を築くことができるのも、海外生活の良いところかと思います。海外では一つの地域に数年単位の短い期間の滞在となると思うので、全米一住みたい街ランキング1位にも選ばれたことのあるポートランドでの生活を家族とともに週末は思う存分楽しんだりもしています。

ラボのメンバーとともに難病支援の寄付活動
マリナーズで大活躍の日本人投手をバックに
国際会議での招待講演の様子
将来の夢をお聞かせ下さい。
 
 創立者ならびに教職員、そして在学時代に奨学金というかたちで支援してくださった寄付者の方々への感謝を“かたち”として示していきたいです。そのためにも、私自身が世界という舞台で一流の結果を出し続け、創価大の後輩が活躍できる場・機会を提供していきたいです。また後に続く次世代のリーダーの育成とともに、苦しんでいる人々に光を与えられるような研究者になりたいです。
理工学部を目指す皆さんへメッセージをお願いします。
 自分が一番自信の持てる教科を中心に、勉強に取り組むといいかもしれません。私の経験からですが、そこを起点に苦手科目も徐々に成績が向上してきました。また短期間(一ヶ月など)の目標を立てて、達成する習慣を身につけることが、自信につながり、良い結果をもたらします。睡眠を良く取り、適度な運動を取り入れて、充実した学生生活を送って下さい。私は中学・高校時代の6年間、一日1時間の自転車通学とバスケットボール漬けの日々があって、今、研究者として体力が維持できていると思います。勉強と部活の両立で悩んでいる人もいるかと思いますが、一人で溜め込まずに、身近な信頼できる人と相談して、適度に息抜きもしてください。創価大学は、将来の希望を見いだせる大学です。また生涯の友人を得ることができる場所でもあります。創価大学への進学を心から、お勧め、そして応援します。
 
将来、研究者を目指す学生へのアドバイスをお願いします。
創価大学で行われたセミナー
学部時代から日々の勉強をしっかり行なって下さい。私の経験からも言えるのですが、その一つ一つが分野を超えて、将来研究者として活躍する上で生きてきます。また英語を頑張って下さい。私はこれで苦労しました。苦手意識の高い方もいるかと思いますが、中学生の時に221人中214位の英語の成績を取った私が今、英語を毎日しゃべっているのですから、今からでも安心して英語の修得に取り組んでください。大学院生の皆さんは、修士の段階から競争的研究資金(DC1やDC2など)を獲得するにはどうすればいいかを考えて、実際に申請まで行なって下さい。獲得するためには業績も必要なので、早い段階から、できれば学部生のときから担当教員としっかりと作戦を練って下さい。将来、研究者として、これがとても大きな業績・助けになります。創立者のもと、共々に、頑張って参りましょう!

クレーターレイク国立公園にて
■宍戸英樹:研究業績
  • 競争的研究資金の獲得: American Lung Association・Senior Research Training Fellowship(渡米後)、科研費・研究活動スタート支援(助教在任時)、笹川科学研究助成(大学院生時)
  • 主な国際会議での招待講演:North American Cystic Fibrosis Conference 2013, 2014, & 2015(計3回)、Biochemistry and Molecular Biology 2015、複数の研究会議やセミナーなど
  • 主な研究論文掲載:米科学誌「サイエンス」など、現在他の2つの論文も2016年度にトップジャーナルに掲載予定
  • 特許(米国)「Fluorescent detection of in vitro translated protein on a solid surface
  • 2015年Oregon Health & Science University Japanese CommunityのCommunication Directorに就任し、月一回のセミナーを主宰し、他研究者同士の共同研究の立ち上げなどをサポート
                                              (2015.12)